ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「ナオミとカナコ」を観ました

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ナオミとカナコ(2016)

今まで「映画ときどき本」の記録をブログに書いていましたが、そこに「ときどきドラマ」を付け加えてみようとおもいます。テレビっ子なので毎週たのしみに観ている民法のドラマもありますが、ネット配信で一気見するのも好きです。映画や本と同様、ネタバレなしでざっくり余談多めに記録しようとおもいます(気まぐれに)。

 

この「ナオミとカナコ」は奥田英朗さんの小説が原作です(ちなみに原作は未読)。ドラマの放送はちょうど2年前。広末涼子内田有紀、という90年代に青春を送った私としてはとてもグッとくる女優2人のW主演で、しかも「いっそ2人で殺そうか、あんたの旦那」というかなりキャッチーな台詞が紹介されていたものだから、放送前からわくわくしていたのを覚えています。FODにアップされていたのでいそいそと一気見しました。

 

百貨店の外商部に勤める直美(広末涼子)は仕事のできる利発な独身女性。一方、専業主婦の加奈子(内田有紀)はエリート銀行員の夫・達郎(佐藤隆太)と、ハイソなタワーマンションに住んでいます。2人は大学時代からの親友であり、夫のDVに苦しむ加奈子を直美は何とかして救ってあげたいとおもっています。わずかな希望を持って直美の助言に従う加奈子ですが、反して達郎のDVはエスカレート…。加奈子の命の危険を感じた直美は、最終手段として達郎殺害の完全犯罪を計画するのです。

私のような単純な素人には、直美の計画は「なかなかすごい計画!」と思えるのですが、ツメの甘さや不運な偶然が重なって、毎話ヒヤヒヤさせられるストーリー展開になっています。

 

主演の2人もキーパーソンとなる役者も、そろって演技派。佐藤隆太って昔から苦手でしたが、「エリート暴力夫」と「心優しい不法滞在中国人」という真逆の役を1人2役で見事に演じていてちょっと感心しました。

それから高畑淳子が演じた、やり手の中国人女貿易商の「李社長」がもうサイコーなのです。放送当時は毎週録画して、李社長の登場シーンだけを編集してDVDを作り、友人にもプレゼントした(押し付けた)ほど、ハマリ役で好きなキャラクターです。

暴力夫の姉・陽子を演じた吉田羊も素晴らしいです。陽子は全くもってなんにも悪くない被害者家族なのに、吉田羊の演技力と存在感をもって完全に「直美と加奈子の敵」になっています。「犯罪者を応援してしまう」という善悪の逆転現象を決定付け、ラストにも繋がる大事な役どころなのです。

 

加奈子はDV被害者で正常な判断ができなかっただろうし、直美は自身の生い立ちと重なってDVに苦しむ親友をどうしても救いたかった。2人が「DV夫を殺そう」と決意するのは理解できなくもないのですが、恐ろしい犯罪を決行したすぐ後に2人して清々しい気持ちになって小旅行に出かけちゃったりして、何だか秘密を共有してより絆が深まった女子大生のノリが見えなくもないなーとおもいました。

 

完全犯罪を目論んだ直美と加奈子ですが、最終的にあるキーパーソンの想定外の行動によって窮地に立たされます。事件を起こすのは人、その人を助けようとするのも人で、追求するのも人。どんな完全犯罪を計画したとしても、人の心までは計画できないのです。

前半は「いつ実行するのか?」、後半は「犯罪はバレるのか?」という2大ドキドキで物語が展開していきますが、ラストはとても印象的なシーンで終わります。

良いキャストでストーリーも文句なしのおもしろさなのに、視聴率はあまり良くなかったらしい。世間の関心を示す数字と自分の興味は必ずしも比例しないんだな、と思ったものです。

 

ナオミとカナコ DVD-BOX