ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「人生フルーツ」を観ました

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人生フルーツ(2016)

どこかで予告編を見て気になったのに、観るのをすっかり忘れてしまった1作。CSでの放送予定を見て思い出しました。よかったー。

愛知県春日井市にある高蔵寺ニュータウン。大きな団地のそばに建つ素敵な平屋には、雑木林があり、畑があり、そこには建築家の津端修一さん90歳と、英子さん87歳の夫婦が暮らしています。庭で獲れる何種類もの野菜や果物が食卓に並び、自分たちでできることは何でもしてしまうおふたり。

修一さんは毎日のようにイラスト入りの手紙を描き(手紙だけのお付き合いの友人もいるし、月一度の買い出しでお世話になっている八百屋や魚屋にもお礼の手紙を送ります)、マウンテンバイクに乗ってポストに投函しに行きます。英子さんは庭で収穫できるフルーツを使ったデザートなどどんな料理もこなしますが、キッチンには湯沸かし器も電子レンジもありません。40年使っている土鍋でビーフシチューやコロッケなどの揚げ物も作るし、蒸籠が電子レンジの代わりです。

お二人の日常を追ったドキュメンタリーですが、特別なことは何もなく、ただただ穏やかな日常を映しています。お二人にとっては当たり前の生活や、さりげなく発せられる言葉の中に、忙しない現代の生活から抜け落ちてしまった人間の生活にとって大事なことが表れているような気がしました。「ていねいな暮らし」だとかのハッシュタグを付けて自分の生活を発信せずにはいられないような自己顕示欲の強い人たちが、なんだかうそくさく見えてしまいます。それくらい、とても自然で、当たり前の日常。

お二人がこの土地で、このような生活を送ることになった経緯には脱帽です。そして映画の後半には驚く出来事が突然起こりますが、それすらも日常の流れの一部のように自然に映されていて、ラストは静かに胸が熱くなりました。

私と夫も、お二人のような夫婦になれたらいいなぁ、としみじみおもいました。

 

1月20日(土)からポレポレ東中野でアンコール上映があるようです。

https://www.mmjp.or.jp/pole2/

映画『人生フルーツ』公式サイト

 

修一さんと英子さんは本も書かれているようなので、読んでみたいとおもいました。

ききがたり ときをためる暮らし (文春文庫)

ききがたり ときをためる暮らし (文春文庫)

 
あしたも、こはるびより。: 83歳と86歳の菜園生活。はる。なつ。あき。ふゆ。

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