ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「殺されたミンジュ」を観ました

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殺されたミンジュ(2014)

追っ手を気にしながら怯えた表情で夜の繁華街を逃げる女子高生。住宅街までたどり着いたところで複数の黒ずくめの男に捕まり、抵抗むなしくあっという間に殺されてしまいます。それから1年後、謎の集団が男を拉致し「去年の5月9日に何をしたか、覚えている事を全部書け」と言い、囚われた男を拷問します。謎の集団は、女子高生を殺害した加害者グループをひとりずつ拉致拷問し、復讐してゆくのです。

女子高生はなぜ殺されてしまったのか?加害者達の目的は何だったのか?謎の集団の正体とは?物語が進むにつれて色々な疑問が解決してゆくサスペンス映画……のように見えて、全然それだけじゃない映画です。なぜなら全ての疑問は明かされないし、事の発端である「なぜ女子高生は殺されたのか?」という事ですら謎のまま映画は終わるからです。

この映画で描かれているのは、世の中の条理と不条理であり、富や権力を持つ者と持たざる者の決定的な違いであり、そしていずれの人間も組織や体制、ひいては社会全体のシステムにおいて定められたパーツにすぎない、という事です。人間とはかくも哀しい存在で、地獄さながらのこの世界で生きてゆくのは、もはや苦しみでしかないのです。

何をもって正義とするのか?真実を全て知ったところで、たかが個人の行動で腐った社会のシステムを変えられるのか?

拉致された男たちが一様に言う「責任者を出せ」というセリフと、「ドジョウを水槽に入れると弱ってゆくけれど、そこにライギョを放つとドジョウは生きるために必死に逃げ回るから、結果イキイキとしてくる」という話が印象的でした。

 

印象的といえば、韓国映画の中に出てくる臭いまで伝わってきそうな薄汚い路地がけっっこう好きです。それから韓国映画の拷問シーンっていつ見てもリアルで痛ましい。内臓が絞られるような描写って韓国映画独特な気がします。あと、ひとりの俳優が違う役をいくつも演じていて、それが全く別人に見えるのだからすごいなと思いました。

気になったのが、韓国の僧侶?が着ていたキルトのグレーのアウター。なんかちょっと素敵じゃん、と思いました。お家で半纏みたく着たいです。

 

 

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