ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「子宮に沈める」を観ました

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子宮に沈める(2013)

「きみはいい子」の原作が<大阪2児餓死事件>をもとに書かれたと知って、同じテーマで作られた「子宮に沈める」を観てみました。

大阪2児餓死事件 - Wikipedia

「きみはいい子」が創作物語で希望の見えるラストだったのに対し、こちらはかなりリアルに事件を再現してる感じです。定点観測のようなカメラワークで終始家の中から表に出ることなく撮られているので、 事件のあった家の中の様子をのぞき見ているような感覚。

率直な感想は「これ映画にする意味あるのか?」です。まず当然のことながら、虐待は絶対許されるべきことではありません。虐待の結果子どもを死に至らしめるような奴は極刑でも構わないと思っています。加害者である親が虐待されて育ったからとか、誰に(どこに)助けを求めたらよいか分からなかったとか、そんなことは亡くなった子どもには関係のないことです。自力ではどうしようもない、生きるためには親がすべてである幼い子どもにとって、親がどれほど大きな存在なのか。そんなことは考えなくても分かることです。世間擦れをしていない幼子は、どんなに虐待されても親を信じながら亡くなっていくのだと思います。そのことを考えると、かわいそうでかわいそうで、息が詰まる思いです。厳しいことを言っているのは承知ですが、これが私の考えです。

で、この映画、どんどん生活環境がすさんで最終的にはネグレクトされ亡くなっていく子どもをただひたすら映しています。観ていてとてもつらい、としか言えない。この映画を撮った監督は「虐待は許されざる行為」とか「シングルマザーの社会的立場の弱さ」なんかを伝えようとしたのかもしれないけれど、だったらもっと他の表現方法があったんじゃない?と思います。まったく理解に苦しむ何だかオカルト風なラストも「必要ですか?これ」と思いました。

中立的な第三者目線でリアルを追求しておいて下手な脚色をちょっと加えるくらいなら、「きみはいい子」のように大幅な脚色を加えて加害者である親もまた被害者であるということや、虐待してしまうことの苦しみや葛藤を丁寧に表現する方がよっぽどよかったと思う。実際に起きた事件として、母親に放置され死んでいく子どもをただただ映しているだけの悪趣味な映画、そう思いました。

 

 

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