ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「オクジャ」を観ました

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オクジャ(2017)

韓国の山の中でお爺さんとふたり暮らしの少女・ミジャ。彼女にとって唯一の友だちは、幼い頃からともに成長してきた巨大な豚のオクジャです。日が暮れるまで山の中で食料を獲ったり遊んだり、ミジャと賢く優しいオクジャはいつも一緒です。

ある日、テレビクルーを引き連れてやってきたミランド社の社員と動物学者(ジェイク・ギレンホール)は、オクジャの美しい体軀と完璧なデータを確認し、オクジャこそナンバーワンスーパーピッグであると認定します。オクジャは10年前にミランド社のCEOとなったルーシー(ティルダ・スウィントン)が遺伝子操作によって作り出した、スーパーピッグのうちの一頭なのです。10年の歳月を経て立派な成長を遂げたオクジャが、スーパーピッグ計画のアイコンとしてミランド社の本社があるニューヨークに移送されてしまうことを知ったミジャは、連れ去られたオクジャを救うためソウルへ行くことを決意します。

 

よく言えば自然で素朴、意地悪く言えば田舎臭くて垢抜けないミジャが、オクジャを追いかけ山奥からソウルの街へ駆け下りてきてオクジャと再会を果たし逃げ回るシーンは、アクションもカメラワークも素晴らしくいい!この一連のシーンだけ何度も観返したいくらいです。いつの時代の人間だよ、と言われてしまいそうですが、CGって本当にすごいですね。ソウルの地下街を爆走するオクジャは実在しているみたいな迫力があった。いやーすごいなーいまどきの技術って。

ところで、映画の冒頭で察しがつきますが、この映画は単なる自然児少女のアクションアドベンチャーではなくて、資本主義だとか機械的な食肉産業だとかをテーマにした社会派作品なのです。ALF(動物解放戦線)という動物の権利を訴えているテロリスト集団も登場します。本編では「組織の理念を大切にしているし、誰も傷つけるつもりはない」って平和的な発言をしているけれど、実在のメンバーは爆破や誘拐が得意みたいです……こわい。

動物解放戦線 - Wikipedia

 

どんなにガッツがあっても、どんなにオクジャを愛していても、たったひとりの少女の訴えに資本主義社会が耳を傾けるなんてことは無いのです。それを逆手に取ったラストは全然ドラマチックじゃないけれど、とても現実的でシニカルだと思いました。 

映画は小さな希望を含んで終わりますが、観終わったあとはなんだかすっきりしないというか、みぞおちのあたりが淀んでいるような感覚になりました。機械的な食肉産業(飼育や屠殺解体などの生産全般)にはわたしも反対です。でも、どんなに残酷だとかエネルギーの無駄づかいだとか言われていても、わたしはいまのところ肉食をやめるつもりはありません。このジレンマ、いつになったら解消するのだろう。

 

 

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