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ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「告白」を観ました

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告白(2010)

中学校の終業式後のホームルーム、生徒達が好き勝手におしゃべりをする雑然とした教室で、教師の森田悠子(松たか子)は「学校のプールで娘の愛美(芦田愛菜)が亡くなったのは、事故ではなく殺人です。犯人はこのクラスにいます」と言い出します。静まり返った教室で森田先生の告白は続き、犯人とされる男子Aと男子Bの名前こそ明かさないものの、教室中の誰もがその生徒が誰なのか、わかっていました。そして森田先生は、ある告白をし、教室内は生徒達の悲鳴と動揺で大騒ぎになります…。

勤務先の学校のプールで幼い我が子を亡くした女性教師の告白から始まり、その後迎えた新学期で犯人の少年Aと少年B、少年Bの母親(木村佳乃)、そしてクラスメイトの少女(橋本愛)がそれぞれ一人称となって告白する事で、ひとつの事件を多角的に捉えながら物語が展開していきます。

主要人物の行動や心理はどれも極端で恐ろしいものですが、どこかしら共感できる部分があったり、または共感こそできないけれど理解できるものであったり、突拍子もないようでいてそうではないという風に、非常にうまくできています。「告白」という形をとって一人称を変えているからこそできる深い心理描写なのだと思うし、ホントよくできているなぁと唸りました。それから松たか子の演技が素晴らしかった。

 

今回なんとなくこの映画を観たのですが、いちばん恐ろしかったのは、自分が以前この映画の原作を読み、その後映画も観ていたことをほとんど後半になってから思い出したという事です。こんなによく出来た原作と映画の事をすっかり忘れている自分にびっくりです。このひどい忘れっぽさがあってこのブログを始めましたが、ブログに書いた事はどれだけ覚えていられるのだろう?

でも高校時代にいちばん好きだった英語のおじいさん先生が、習った事も宿題も忘れる私に対して笑顔で言ってくれた「忘るる事は素晴らしい!」という言葉は、今でも覚えています。

 

確か映画が公開された前後くらいに、当時の勤め先の喫煙室でいつも会う女性が文庫本を貸してくれて原作を読みました。お昼休みにいつも本を読んでいた私を見て「オススメの本を交換しない?」と言ってくれたような。私はその時、夢野久作の「ドグラ・マグラ(下)」の文庫本を読んでいて、彼女が興味を持ってくれたので上巻を貸しました。

「告白」を借りた私はおもしろくて一気読みし、彼女にお礼と感想を伝えてすぐにお返ししたのですが、その時彼女は「私が借りた本の感想はちょっと待っててね」と言ったまま月日は流れ、結局「ドグラ・マグラ(上)」の感想を聞けぬまま私は退職してしまいました。完全に私のチョイスが間違っていた結果だと思います。

2、3年前に本棚を整理した際、「ドグラ・マグラ(下)」はブックオフに引き取られました。恋しくなったらまた上下巻セットで買おうと思っています。

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

告白

 

 

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