ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「アウトサイダー」を観ました

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アウトサイーダー(1983)

貧困層の若者グループ「グリース」と、富裕層の若者グループ「ソッシュ」の対立を中心に、グリースの少年ポニーボーイとジョニーの友情を描いた青春物語です。「ウエストサイド・ストーリー」ぽくもあり「スタンド・バイ・ミー」ぽくもあり。老若問わず男の友情モノは好きなので、だいぶグッときてしまいました。ポップな青春映画も好きですが、こういう硬派な青春映画もいいですね。

グリースたちは、何も考えず何も感じず不良をしているわけではなくて、貧困であること、家庭が崩壊していること、親がいないこと、親がいても愛されていないこと…社会からはみ出たところで、色々なことを思っています。自分のいる環境や状況を受け入れられず、かといってどう行動すべきか、どう表現すべきか分からず、自殺してしまいたくなったり、粗暴にふるまってみたり、不安で泣きたくなったりします。殊にポニーボーイとジョニーは感受性がとても豊かな少年で、夜空に瞬く星や、草木が黄金に輝く朝焼けの美しさを語り、小説「風と共に去りぬ」を愛読します。繊細な感情を演出やセリフの随所に感じることができるのですが、アウトサイダーの少年から発せられる言葉だからこそ、やるせなさの重みが増しているのかもしれません。

映画館の暗闇からまばゆい日の光の中に踏み出した時、2つのことしか頭になかった。ポール・ニューマンと車で家に帰ること…

 映画の冒頭はこの台詞で始まるのですが、「映画館を出る時、さっき観た映画の俳優になりきってしまう」というのはよく聞くフレーズで、男性たちが肩で風を切って歩いた、とか、女性の話し方や歩き方がやたら上品になった、とか、こういう現象はもう「映画は映画館で観る」という、一昔前の時代の話なのかもしれない。ビデオやインターネットで自由に映画を観られる今となっては、映画館の外にはヒーローや妖怪に扮したこどもくらいしかいないような気がします。

この映画が公開されたのは今から30年ほど前ですが、映画の中のポニーボーイがポール・ニューマンの気分で映画館を出たように、この映画を観た当時の若者たち(現在の40代後半くらい?)も、グリースの一員になったような心持ちで街を歩いたのかなぁ、なんて。グリースの不良感もロカビリーを多用した音楽も、かっこいいです。

 

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