ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「いのちの食べ方」を観ました

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 いのちの食べ方(2005)

大量生産される野菜や食肉の現場を、解説も音楽も無しで淡々と映し出したドキュメンタリーです。

作物生産についても食肉生産についても言えるのは、どちらも自動化され機械化されているということ。機械的な作業といのちの生育は相反するイメージだけれど、現代社会に暮らす私たちの多くが、そうやってシステマチックに生産された食物や食肉を食べて生活しているというのが現実なのです。生産現場で働いている人々もシステムの一部だし、そしてそのシステムのいちばん最後にいるのはそれらを消費する人間だということ。

とりわけ食肉に関しては、観ていて胸がざわざわするシーンがいくつもありました。飼育環境から屠殺解体工程まで、そうせざるをえない食糧事情にしたのは(私も含めて)大量消費社会にいる一部の人間なのに、大量生産の現実から目を背けているような気がします。ここ数年、食の安全の観点から「生産者の顔が見える」と銘打った食料品も市場に出回るようになりましたが、口にするもの全てにおいてそれを把握しようと思うとなかなか大変です。スーパーマーケットで食材を購入するのが当たり前になっている社会で、近所に信頼できる肉魚青果商店主がいる人はどのくらいいるのだろう?

かといって、大量生産品の不買運動をしよう!とか、ベジタリアンになろう!とか、そういう極端な発想にもならないし、他人の余計な主張無しにまざまざと現実を見せつけられて、私はしばらくの間考え込んでしまいました。

 

いのちの食べかた [DVD]