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ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「The Wolfpack」を観ました

★★★★★

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The Wolfpack(2015)

マンハッタンの低所得者用集合住宅で両親と共に暮らす6人兄弟のドキュメンタリーです。この兄弟は学校に通うどころか、家族以外の人間や社会と断絶させられて成長しました。というのも、ペルー出身の彼らの父親が「外の世界は麻薬や殺人で溢れていて危険だから」という理由で、彼らを狭い部屋に閉じ込めていたためです。母親は、そんな父親と子供たちの板挟みになっていたようですし、母親自身も外出は制限されていたそうです。

彼らが得る情報は、母親から教えてもらう勉強と、テレビと、膨大な量の映画から。5,000本程の映画を観ては、お気に入りの映画のシーンを兄弟で完コピするのが彼らの最高の遊びです。小道具だってダンボールやシリアルの箱、ヨガマットなどから手作りするのですが、これがなかなか完成度が高くてびっくりしました。限られた材料での創意工夫がすごい。映画の中ではタランティーノの「レザボア・ドッグス」を演じていますが、台詞や立ち位置もまさに完コピ。お遊びとはいえ、これが彼らの世界の全てなのです。映画では、少しずつ外の世界へ出て行こうとする彼らを映しています。

ここ最近児童虐待のニュースが目立っていましたが、外から見たらこの状況は完全に虐待です。でも父親は、本気で「外はキケン」って思っていたのかも知れないし、なんかもう、どうしていいのかわからなかったのかも知れないし。ただ、父親はクリシュナ信仰とか言いながらアル中ぽいのでだいぶ胡散臭さも感じますが…。

それにしても、大都会の片隅で十数年もの間こんな暮らしをしていた兄弟がいたなんて。彼らの父親に対する「ウルフパック」のその後が気になります。


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