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ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「ビッグ・アイズ」を観ました

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ビッグ・アイズ(2014)

DV夫から幼い娘とともに逃げてきた女性が画家と名乗る男と出会い、あっという間にプロポーズを受けて結婚したものの、その男は彼女の描いた絵を「自分が描いた」と偽って売り始める…というお話。

「目は心の窓、目は全てを語る」という想いで大きな瞳の絵を描く主人公マーガレットですが、世間や娘さえも騙していることで深い罪悪感に苛まれます。しかしながら、夫ウォルターは「お前も共犯だからな」と言っては、マーガレットを作業部屋に十数時間閉じ込めて、彼女にひたすら絵を描かせるのです。物静かで穏やかなマーガレットとは真逆のウォルターは、口から生まれたような男。すらすらと語るのはハッタリだけれど営業力はあるのだから、それを正しい方法で生かせばいいのに。厄介だったのは、ウォルターが欲しがったものが、「芸術家として」手に入れる富と名声だったことです。

「芸術家として脚光を浴びたい」けれど才能は無い、じゃあ他人に描かせればいいじゃん。…これって「聴覚障害があるけれどオーケストラ書けちゃう俺」「一流大学卒でイケメンハーフの敏腕コンサルタントな俺」と同じじゃん、と思いました。虚像の「理想の自分」を作り上げるためにあらゆるウソを並べ、そしてそれは誰かの罪悪感の上に成立していたりするのです。

この物語は「Big Eyes」の本当の作者であるマーガレットが主人公で、マーガレット役のエイミー・アダムスの演技はとってもよかったし、マーガレット・キーンさんご本人もこの映画を観て感激したそうですが、私はどうしてもウォルターが気になってしまいました。映画の最後に彼のその後がテロップで紹介されていましたが、それを見てますます彼を主人公にした物語が観たくなりました。

 

ビッグ・アイズ [Blu-ray]