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ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「わらの犬」を観ました

★★★★☆

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 わらの犬(1971)

アメリカからイギリスの片田舎に引っ越してきた数学者の夫と美人妻の若夫婦ですが、小柄で気弱な夫が地元の若者たちにからかわれ、それがどんどんエスカレートしていき、ある事件をきっかけに大惨事になってしまうお話です。

非暴力主義者の主人公は、下品なヤツらにどんなに馬鹿にされても怒りません。そのことを妻に非難されても「まぁいいじゃないか」という感じで、書斎にこもって黒板に数式を書いたりしています。そんな彼のことを妻は 「不甲斐ない男」と思っているし、映画を観ている私も「こんな男いやだなぁーマヌケで腑抜けでダサい…」と思いました。

しかし終盤になって、いよいよ妻や自身の身に危険を感じた主人公は、暴力に暴力で対抗します。「マヌケで腑抜けでダサくて、妻のご機嫌も取れないダメな男」として徹底的に描かれていた主人公ですが、火のついた導火線がじわじわと爆発に向かうように、徐々に様子が変わっていきます。かなりピンチの状態なのに妙に冷静で、スニーカーに履き替えて妻にウィンクしてみたり、抜群のアイディアを披露してみたり、壊れたメガネを拾ってかけてみたり…それらは「頼れるタフガイ風」でも「映画での“のび太”風(弱虫が最後に勇気を出して敵と戦う)」でもなく、なんとも異様な不気味さ。こういう言葉にできない雰囲気を見事に演じているダスティン・ホフマンって、すごい。

ラストの主人公のセリフに、どんなに平和主義で非暴力主義であっても、暴力には暴力でしか向き合えなかった、という虚しさを感じました。

あと、この映画のポスターデザイン、恐ろしくカッコイイ!

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わらの犬  HDリマスター版 [Blu-ray]