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ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「レッド・ファミリー」を観ました

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レッド・ファミリー(2013)

ここ最近、友人にオススメしてもらった韓国映画を何本か観ましたが、この映画は個人的に気になったので観てみました。「擬似家族」として集団生活をし、韓国内で盗撮から暗殺まで様々な任務を遂行する北朝鮮工作員のお話です。

隣家の韓国人一家とその暮らしぶりに対して「資本主義の堕落者め」と非難していた工作員グループ“ツツジ隊”の女性隊長ですが、他愛ない家族喧嘩を見るにつけ、本国に残してきた娘に対する想いは強くなる一方です。他の隊員たちも同様に、離れて暮らす家族を守ることを第一に、工作活動をしています。「お国のためなら命も差し出す所存」と言いつつも、活動のその根本にあるのは、まったくもって人間らしい「家族を愛する気持ち」なのです。

「家族を守る」という目的における手段として暗殺を行うことに、工作員たちはぼんやりと疑問を感じていきますが、かといって党(政府)や社会主義を批判するわけではないんですね。工作員一家と韓国人一家が揃って食卓を囲む場面で、韓国人一家が金正恩を揶揄すると、工作員たちが声を荒げて北朝鮮を擁護します。「おや」と思ったのは、“孫”を演じている女子高生工作員が「大国の力を借りずに自分たちで南北の問題を解決しなきゃいけないんだ!」というところ。思想教育を受けていない若い世代に希望を語らせたことで、強いメッセージを感じました。でもって、そんな工作員一家の様子に韓国人父は「ずいぶん親北ですね〜アカですか?」と言うのですが、韓国の酒場ではおやじたちがこういう政治話をしていたりするのかな〜なんておもいました。

もともと一つだった国がソ連やアメリカという大国のせいで政治的に分断して、対立して、戦争をして…って、海を隔ててすぐそこの国の今でも続いている出来事なのに、まるで想像ができない。映画の中で“おじいさん”を演じる工作員が歌う「アリラン」は、色々な悲しみを含んで聴こえました。ふたつの家の庭は簡単に飛び越えられるほど低い柵で隔てられているのですが、その柵は鳥しか越えることができないのです。

 

レッド・ファミリー [DVD]