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ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

「トレジャーハンター・クミコ」を観ました

★★★★☆

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トレジャーハンター・クミコ(2014)

洞窟の中から「ファーゴ」のVHSを発見したクミコは映画を真実と思い込み、映画の中で隠された大金を見つけ出すことが自分の運命を変える大きな仕事であると確信し、ノースダコタ州の雪深い田舎街ファーゴへ向かいます…そんなあらすじと「Kumiko, the treasure hunter」という映画タイトルから、ちょっと笑える冒険ミステリーなのかと思いきや、とても深い孤独の中にいる女性の、なんとも切ないお話でした。

実際にファーゴで日本人女性が凍死体として発見された事件(事故)があって、「遺体で発見された女性は映画の中に出てくる大金を探しながら凍死した」という地元警察官の証言からこの話が都市伝説のように広まり、それがこの映画のベースになっているそうです。

自分が興味の無い人間関係や社会生活を排除できるならそうしても構わないと思うし、その結果ひとりでいることを孤独とは思いません(例えば、どうでもいい同僚と親しくしたり、鬱陶しい同級生とお茶したりせず、部屋にこもってビデオを見る、とかむしろ幸せかも)。でも自分が寄り添いたい、認めてほしい、信じてほしいと願う相手に拒否されたり否定されたりすることが、クミコを孤独のどん底に突き落としたのだと思います。でもって他人にどんなに親切にされても、クミコの望む相手じゃないから孤独は埋まらないし、おせっかいに感じてしまう。想像しただけでいたたまれないつらさ…。

冷静に考えると、クミコは孤独の中で精神疾患になってしまっているのだと思う。でもこの作品を観ている間不思議とそう思わず、なんだかファンタジックな感じさえしたのは、菊地凛子の演技が素晴らしかったからかも。盗んだ毛布を雪ん子みたいにかぶる姿も可愛い(よく考えれば相当ヤバイのに)。

そして、OLの休み時間の様子とか、お茶汲みや結婚まだなの発言を始めとしたセクハラ・パワハラの様子、偶然通りで再会して「やだぁ久しぶりぃ〜元気にしてたぁ〜?」って無理矢理連絡先聞いてくる同級生のあの感じが、アメリカ人が撮ったとは思えないくらいの日本感です。

あと、「ひとつ屋根の下」で酒井法子が「うさぎって寂しいと死んじゃうんだよ」と言っていたのをなぜか思い出しました。これって本当なのかな。

 

Kumiko: The Treasure Hunter [北米版 Blu-ray]!<菊地凛子主演>