ビールとポップコーン

ネタバレ書かずに、観た映画(ときどき読んだ本など)を雑文多めに記録しています。

こんな本を読みました(まとめて)

2018年前半は映画を観るよりのんびり本を読むほうが多かったかもしれない。観た映画をまとめたので、読んだ本もまとめます。昨年からKindleiPad)でも本を買って読むようになったけど、分厚く重たい本を持ち歩かなくていいし付箋だらけにならないし、ほんと便利。でも引越し先にいい本屋さんがあったので、これからも単行本は買い続けようと思う。

これでようやくゼロベース、これからは映画も本も、記憶や感想がフレッシュなうちにちゃんと記録していきたいなー。

 

 

他人の始まり 因果の終わり

他人の始まり 因果の終わり/ECD(2017)★★★★★

ECDが亡くなってすぐくらいに読みました。今年の2月半ばくらいまで、ECDが暮らしていた代田橋や亡くなった佼成病院の近くに住んでいたので、彼や彼の奥さんである植本一子さんの著書を読むにつけ生活が目に見えるようで、すごくリアルに感じた。家族とか、生きるとか、死ぬとか。強い人だなぁと思う。

 

罪の声

罪の声/塩田武士(2016)★★★★★

久しぶりに読んだ長編小説。おもしろくて、夢中になって一気読みしました。「グリコ森永事件」をモチーフにしているのだけれど、著者が元新聞記者ってだけあってすんごいリサーチして書きあげたんだろうなぁという感じだし、文字から受ける臨場感は今この瞬間の出来事のように感じました。これがあの事件の真相なんじゃないの?と錯覚してしまうほどリアルだった。

人間の闇は大抵、日常の延長線上にある。

 

AX アックス

AX/伊坂幸太郎(2017)★★

実家の母が新生姜の甘酢漬けと一緒にクール便で送ってきた「まだ読んでいないのでお先にどうぞ本」その1。伊坂幸太郎の本を初めて読んだけれど、率直な感想は「読みやすくて、映像化しやすそう」でした。内容は、恐妻家の男が実は殺し屋、みたいな感じだったと思います…(すぐ忘れちゃうんだからもう…)。

 

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

星に住むつもりかい?/伊坂幸太郎(2015)★★★

母の「まだ読んでいないのでお先にどうぞ本」その2。平和警察(国家)が定期的に「安全地区」を選定、そのエリアの住人は互いを監視し怪しい人物がいたら平和警察に密告、警察はその人物をギロチンで公開処刑する社会…に登場した不思議な武器を使うヒーロー、みたいなお話。タイトルから宇宙へ行く物語とかそんな感じかとおもったら、非人道的な組織に対するレジスタンスの物語でした。アメリカにだってテロ組織にだってそれぞれの正義がある、じゃあその正義ってなに?って考えちゃう。

 

臣女 (徳間文庫)

臣女/吉村萬壱(2014)★★★★

この著者って変態だな、と思いました。だって、夫の浮気に対する怒りと憎しみで妻がどんどん巨大化して徐々に言葉も失って人間というか生物化しちゃって、ただただ食べて排泄してだけになっていく、なんて。しかもその描写がちょっとグロくてリアルなんだもの。でもそんな突拍子もない物語の中に、誰にも理解できない夫婦の純愛が描かれていて、頼もしいような哀しいような。

私はあの後、平然と生肉を貪り食べていた彼女の頭を、拳骨で叩いてしまった。あんなに渾身の力を込めて人の頭を叩いたのは、生まれて初めてだった。叩かれた彼女は生肉の中に顔を突っ込み、血まみれの哀しい目で私を見返すと、再び肉に喰らいついた。そして、食べ終わってから泣き出した。

 

ホワイトラビット

ホワイトラビット/伊坂幸太郎(2017)★★★

母の「まだ読んでいないのでお先にどうぞ本」その3。人質立てこもり事件の裏側は色々と複雑でした、というお話。伊坂幸太郎の小説って、個性的な捜査官が登場するのがお決まりなのかな?よくできてるなーと思いました。

 

彼女がその名を知らない鳥たち

彼女がその名を知らない鳥たち沼田まほかる(2006)★★★★

母の「まだ読んでいないのでお先にどうぞ本」その4。同棲している年上の男にすべて面倒見てもらっているにもかかわらずその男を激しく罵る女もイヤだし、発言の全てが軽くて下品で不潔で甲斐性の無いみじめったらしい男もイヤ。登場人物のほとんどがサイテーな人間で読んでいて不快になる。のと同時に、しょうもない男の薄汚れた存在が、愛が、どうしようもなく哀しい。すごいラスト。

 

どつぼ超然

どつぼ超然/町田康(2010)★★★★

自分のことを「余」と言って「超然」を目指して熱海をうろつく主人公が「死の」と決意して死に場所を探し彷徨う話。熱海に住んでいる町田康が実際に写真を撮りながら書き進めているのかな、実在する場所がおもしろく書いてあってGoogleマップ見ながら読んだらよりたのしい。(どう考えても)あみんの「待つわ」の解説が狂っていて笑っちゃう。町田康の小説の中に見える登場人物の思慮深さというか激しい思い込みというか理屈っぽさというか、よくこんなにバカバカしく真剣に書けるなーすごいなーといつも感心してしまう。

ではどうしたらよいのだろうか。次に考えられるのは、やはり、罵倒であろう。どういうことかというと相手を悪し様に罵って、心理的なダメージを与える、ということで、まずは相手に自分のやっていることがおかしいことだとわからせるために、

「ハーイ、そこのメガネかけたクソカスキンタマ野郎ちゃん」

と言ったうえで、

「おまえって、ほんと、ユスリカ並みのアホゴミゾンビ野郎だよね。七世代にわたってブスとバカとウスノロと悪霊を掛け合わせてできた筋金入りの下層民だよね。一生、ゴミタメに這いつくばってゲロまみれの残飯を漁る運勢だよね。生まれてきたこと自体が拷問だよね。存在そのものが惨めな敗北だよね。最低最悪の低級動物霊だよね。そういうブタのクソにたかるウジ虫の地縛霊みたいな奴が私の目の前をちょろちょろしていることそのものが間違いなんだよね。呼吸しているだけでみんなの迷惑なんだよね。早く、どいてくれないかなあ、髪型陰毛野郎ちゃん。君の顔面から漂ってくる残飯とゲロとドブと屍体の合わさった臭いにみんなが辛い思いをしてるんだよね。早くどかないとケツメドにアロンアルファぶちこんで砂漠に捨てるよ。汚物入れで生まれ育ったシャブ中でジキパンで不細工で性格腐ったファシストの息子」

 

告白 (中公文庫)

告白/町田康(2005)★★★★★

もう何回も読み返した最高傑作。今まで(そんなに多くはないけれど)読んだフィクション小説の中でダントツだし、これからもこの小説を超える本には出会えないんじゃないかと思うくらいの最高傑作。明治時代の大阪で実際にあった「河内十人斬り」をモチーフにした長編小説で、その犯人である城戸熊太郎が主人公。彼は痴情のもつれ、金銭トラブル、任侠道のメンツなどから十人もの村人を惨殺したのだけれど、その事件の根底を次のように創作した町田康ってほんとすごい、と思う。

慶応三年頃、河内の百姓や百姓の小倅で右の熊太郎のように思弁的な人間は皆無であった。思考すなわち言葉であり、考えたことが即座に言葉となって口からだだ漏れた。その言葉たるやなにかと直截で端的な河内の百姓言葉である。

他の言動に疑問があれば、なにしてんね。と無邪気に尋ねた。

そんななかでひとり思弁的な熊太郎はその思弁を共有する者もなかったし、他の者と同様、河内弁以外の言語を持たず、いきおい内省・内向的になった。もちろん熊太郎がそのことを明確に自覚していたわけではなかったが、このことが熊太郎の根本の不幸であったのは間違いない。

幼少期から青年期を経て共に事件を起こす弟分の弥五郎と出会い、落ちぶれ任侠のようになって事件を起こし自決するまでが、いくつもの喜怒哀楽に満ちたエピソードで綴られています。その表現には町田康にしか書けないおもしろさがあるし、河内弁の音としての豊かさがたまらない。リズミカルな会話は上方落語みたい。

「兄哥、えらい黙りこくってどないしたんやな」

「作戦考えとんにゃんけ」

「作戦てなんやね」

「そらおまえ、向こ行てどうないしてびびらしたろか、ちゅうこっちゃんかいさ」

「そなもん向こ行て、こらあっ、言うて、ばあ、暴れたらええだけちゃうんけ」

「まあ、基本的にはそうやけど、それやったら、ただ暴れとるだけやんけ」

「あ、そうか」

「それにおまえ、向こが下手に暴れて侠客でも呼びに行ってみいな。素人相手ならなんとかなっても刀抜いて斬ってきたらえらいこっちゃで」

「それもそうやけどな、わいこんなもん持ってんね」

「わわわ。なんちゅうもんもってんね。ペストルやんけ。こっち向けんな、ど阿呆。そんなもんどないしたんじゃ」

「ひひひ。前に人に預かってくれいわれてんけどなその人、水にはまって死んでまいよったんや」

自分が思っている本当の本当の本当の本当のことを言葉にするのって難しい、というかある程度言葉を知っている人でもなかなかできないことなんじゃないかな(そういう本当の、嘘偽り無い気持ちや感情を表現できるのが、小説家だったり詩人だったり、芸術家なのかも)。

 

人間小唄 (100周年書き下ろし)

人間小唄町田康(2010)★★★

この小説はまったく意味がわからない。はっきり言って文章も設定も何もかも狂ってる。「箱っ」「根っ」とか。秋元康みたいな音楽プロデューサー「猿本丸児」のことを(美空ひばりが歌った「川の流れのように」すらも)ディスっているところは笑ったけれど。でもこの破壊的な意味の無さがスゴイと思っちゃう。すべてのものに対して「意味」や「メッセージ」を求めて何かが得られると思ったら大間違いだよ?世の中意味ありげにしてまったく無意味な歌や小説で溢れてるじゃないの。

こんな映画を観ました(まとめて)

あー「初心にかえって記録します」とか言っておいて完全に放置してしまいました。果たしてこのブログを読んでいる人がいるかどうか知らないけれど、自分の記録が滞っていたことは確かなので、ゼロベースにすべくきろくきろく…(めんどくさいからまとめて書く)。

 

 

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ロッカーズ(1995)★★

やだもう内容忘れちゃった(ほらね、あという間になんでも忘れちゃう)。スパイク・リーの麻薬とかの話だったと思います。気が向いたらまた観てみます。テキトー!

 

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アイアンマン(2008)★★★★

こどもだましでしょ、と思ってバカにしてたけどすんごいおもしろかったしロバート・ダウニー・Jrがハマり役だった。戦争ってどうしてなくならないの、と博愛平和主義の私は思春期の頃からずっと思い続けていたのですが、戦争で商売する人間がいる限り絶対無くならないのでそういう人たちはみんなぶっ飛ばされればいいと思います。

 

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ぼくと、僕らの闇(2017)★★

冴えない高校生が主役の青春映画はバカバカしく笑えるやつがいい。こんな最低最悪の青春イヤだ!サムライ・ソードはどうかレプリカにして!

 

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悪人(2010)★★★★★

モントリオールで主演女優賞を受賞した深津絵里さんの美しさったらないし演技ももちろん素晴らしいのだけれど、「あーこういう女性いるよね(苦手、ていうか嫌い)」という女性を演じた満島ひかりにゾクッとしました。妻夫木くんも深っちゃんも未来とか希望とかそういうキラキラしたものがない救いようのない暗さで哀しかった。舞台が佐賀っていうのも、なんともよかった。殺人事件のニュースなんて毎日のように見るけれど、本当の悪人ってっどのくらいいるんだろう。

 

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怒り(2016)★★★★

「悪人」に続いて吉田修一原作、李相日監督、妻夫木聡出演、の映画。これってあの事件をモチーフにしているよね?素性の分からない相手と築く人間関係って自分の人間性が試されているような気もするし、でもただのお人好しにもなりたくないし、ニュースを見たら誰だって疑心暗鬼になってしまう。「悪人」でひとりの女性が殺人犯の男を信じ切ったのに対して、「怒り」では疑心暗鬼に陥り相手を傷つけ自責の念にかられてしまう。もうどうしたらいいの。妻夫木くんと綾野剛のシーンはとてもよかった。あとかわいいすずのあのシーンは見るに堪えなかった。

 

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パニック・ルーム(2002)★★★★

ジョディ・フォスターみたいなお母さんかっこいい(美人だし)。私だったらこんな勇気も知恵もないし、自分は何も悪くないのにひたすら「すみません、ごめんなさい…」とか言って泣いてそう。ボーイッシュな娘役の子もかわいかった。フォレスト・ウィテカーは絶対悪い人じゃないってわかってた。

 

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お父さんと伊藤さん(2016)★★★

いい人も、凶悪な変態も、優しいおじさんも、どんな役を演じてもさまになっちゃうリリー・フランキーはずるいし素敵。リリーさんが演じているからよく見えちゃうけれど、コンビニバイトのよくわかんないおじさんと娘が同棲していて頑固な娘の父親がそのアパートに転がり込んできたら…って考えると実際こんな穏やかな感じにならなそう。でも映画ではとても自然に見えちゃうからふしぎ〜。

 

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ぼっちゃん(2013)★★

秋葉原無差別殺人事件をモチーフにした映画。前に観たよなーと思いつつまた観ちゃった。すごくいいとか好きとかそういう訳ではないけれど、主役の水澤紳吾さんの演技と劇中に流れる不協和な音楽が妙にクセになる。主人公みたいなひねくれた人イヤだなぁ…。

 

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グエムル−漢江の怪物−(2006)★★★★★

公開当時、映画秘宝とかで大絶賛していたような。「モンスターが出てくる韓国映画?ふーん」ってバカにしてずーっと観なかったのですが、ポン・ジュノ監督の「オクジャ」がよかったので観てみたらスーパーおもしろかったし、「オクジャ」同様この映画も風刺がきいていて大人が唸るエンタメ映画だった。

 

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犬ヶ島(2018)★★★★★

ウェス・アンダーソンって天才。のっけの相撲のシーンから心わしづかみにされました。傑作!どうしてフィギュア付き前売り券買わなかったんだろう…2018年いちばんの後悔かも。フィギュアその他いろいろグッズを作って欲しい。どのキャラクターもかわいすぎるし、声の出演がいかにもウェス&野村訓市で、ちょっとのセリフでもにやにやしてしまいました。

 

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青い春(2001)★★★★

ドラマ「モンテ・クリスト伯」を観ていて若い頃の新井浩文を見たくなって久しぶりに観ました。昔は「松田龍平くんかっこいい♡」目線で観ていたけれど(今でも大好きだけど)、今観返してみると新井浩文がいちばんいい演技をしていました。あと瑛太とかピース又吉先生も出ていたの知らなかった。KEEこと渋川清彦は昔も今も変わらないね。鬱屈した感じとか素直に真面目になることがダサいみたいな雰囲気や、どうしようもなさや衝動…この物語は極端かもしれないけれど、十代後半のそんな痛々しい青春は、おばさんになってから観ても胸が詰まってしまうのでした。ミッシェル・ガン・エレファントよく聴いたなーなつかしい!

 

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クソ野郎と美しき世界(2018)★★★

 ジャニーズにいた頃と違って振り切っていてイキイキとたのしんでるのが伝わってきてなんだか嬉しかった。思っていた以上によかったけれど、爆笑問題・太田が監督したパートはイマイチ。つよぽんの演技力(素晴らしい)に救われた感しかない。

 

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嫌われ松子の一生(2006)★★★★★

「泣けて泣けてしょうがない2大映画」のひとつ(ちなみにもうひとつは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」)。初めて観たときから何度観返しても大号泣してしまうから、覚悟を決めて休日の前日に観なくちゃいけない。「人の一生ってなんなんだろう」ということを考えるのが好きな私にピタとハマる。通勤途中の高架下に住んでるホームレスにも慈愛のようなものを抱かずにいられなくなるし、どんなにムカつく奴でもその人の人生を思うと「くたばっちまえ!」なんて間違っても言えない。中谷美紀の身体を張った演技は最高だし、どのシークエンスをとっても出演者が豪華すぎる。

 

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血と骨(2004)★★★★

これまた新井浩文見たさで観た映画。ずっと観よう観よう、と思っていて観ずにいた映画でもある。「嫌われ松子の一生」同様、金俊平というヤバイ男の生涯を息子が語る形で描いているのだけれど、これがもうほんと狂人レベルのヤバさだった。実話らしいし。たけしは暴力的な役が似合うなぁ、でもこういう悪役を違和感なく演じられる人って当の本人はすごくいい人なんだろうなぁ。オダギリジョー素敵。関西弁をしゃべる北村一輝大好き(疫病神シリーズ)。

 

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チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~(2017)★★

 「チア☆ダン」のドラマ(太鳳ちゃん)にハマって映画を観てみたら、なんだろう、物足りなさがあってドラマの方がよかった。ダメなチームが奮闘しておっきい夢を叶える系スポ根、自分の青春時代とはかけ離れているせいか(スポーツもそれ以外でも努力してこなかった)、おばさんになっても憧れに近いものがあるというか、がむしゃらにがんばるっていいなーと思う。しかもそれがかわいい女の子なんだからたまらない。すずもあやみちゃんもかわいい!

 

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ドリームガールズ(2006)★★★

ビヨンセの美しさったらため息でちゃう(通常体型の方が好きだけれど)。でもってジェニファー・ハドソンの歌唱力はビヨンセに負けず劣らず、というか役柄的にビヨンセより説得力あるし威圧感あるしすごい。ビヨンセ見たさに何度か観たけれど、久しぶりに観たら「エディ・マーフィー出てたっけ?地元のラジオDJとかだっけ?」ってレベルの記憶力で、私の脳みそほんとしょうもない。実話でもそうじゃなくても、いろんなバンドやミュージシャンの成功して仲違いして…のドラマ見るの好きです。

「幸せなひとりぼっち」を観ました

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幸せなひとりぼっち(2015)

意地悪で頑固なおじいさんが主人公のスウェーデン映画……ふーんという感じで観てみたのですが、シンプルにグッとくるなかなかいい作品でした。ベストセラーの映画化らしく、本国では大ヒットしたらしい。ベストセラーの映画化(しかも感動系)って成功例と失敗例の差が激しい気がしますが、本作はいい塩梅にできているのだとおもいます。

 

主人公のオーヴェじいさんは体格も良く威圧的、地域の若者やコミュニティの住人から厄介者扱いされ距離を置かれています。ルール遵守に厳しくイヤミや憎まれ口ばかり言っていて、野良猫にまで意地悪。

ある日、長年勤めてきた鉄道会社をリストラされたオーヴェ。孤独に耐えきれず亡き妻ソーニャに会いたい一心で、首吊り自殺を測るのです…が、ちょうどその時、彼の向かいの家に若い夫婦と2人の幼い娘一家が引っ越してきます。身重のパルヴァネ奥さんは朗らかで気のいい移民。オーヴェとパルヴァネ一家が交流するうちにオーヴェの過去が語られ、彼の心は少しずつやわらかくなっていくのです。

 

頑固なオーヴェじいさんと気さくで人懐こいパルヴァネ一家の交流の物語であるのと同時に、オーヴェと亡き妻ソーニャの純愛物語でもあります。オーヴェが自殺の間際に回想するのは、幼少期から青年になるまでの父との思い出、そして偶然出会って恋に落ちたソーニャと過ごした穏やかな日々…。断片的な回想から、なぜオーヴェがクソジジイになってしまったのかが痛いほど伝わって切ない。でもって若いソーニャがいかにも北欧のキュートな女性、という感じで、久しぶりにカーディガンズとか聴きたくなりました。

 

こういう映画を観ると「人生だよなぁ」としみじみおもってしまう。性善説を信じているわけではないけれど、やっぱり人は外的要因によってどんなキャラクターにもなりうるのだとおもうのです。「あいつほんと死ねばいいのに」という性悪クソ人間でも、きっと何かのきっかけや原因があってクソ人間になってしまったのだと。その人生に思いをはせると、あまりにも重すぎてたまらなくなります。人生って本当に重たい。どんな人間も、重たいものを背負ったり引きずったりしながら生きているんだよなぁ。

 

なんだか暗く?なってしまいましたが、この映画は全然暗くなくて、むしろ明るくて心があったまる系です。

 

 

幸せなひとりぼっち(字幕版)